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「場所」と「時間」どちらも自由。でもルールなしは危険信号

テレワークにフレックスタイム、今やこの組み合わせを導入している企業も少なくありません。特に事務職やIT系の業種では、「場所も自由」「時間も自由」が当たり前になってきました。

けれど、実はこれ、結構リスクの高い組み合わせです。

なぜなら、「場所の制約がない」と「時間の制約がない」をセットにするということは、会社の目が届かない状態を常態化させるということだからです。

「在宅勤務OK&フレックスタイム」自由さが生む盲点

  • テレワーク=「どこで働くか」が自由
  • フレックスタイム=「いつ働くか」が自由

つまり、「いつ・どこで働いているのか把握できない」という構図が自然とできてしまうのです。

社員の裁量が広がるのは良いこと。でも、それと同時に「働いているのかどうかの管理ができない」「働き方のルールが不明確」という事態になれば、それは経営側・管理側にとってはリスクでしかありません。

制度として導入する際は、「自由」を保障するだけでなく、どう管理するかというルールも必ずセットで設計する必要があります。

テレワーク×フレックスで最低限決めておきたいこと

まず、「自由にさせてるからラクでしょ」と思ってる経営者や管理者の方ほど注意が必要です。

実は、決めておかないとあとで面倒になることがいくつもあります。

  • コアタイムを設けるかどうか(在宅勤務時のみ設定する手もあり)
  • フレキシブルタイムをどう設定するか(朝5時~夜22時?その根拠は?)
  • テレワーク導入の背景は何か
     └ 会社都合(スペースの都合・感染症対策など)か?
     └ 社員のニーズ(育児・介護・通勤困難など)に応えたか?

この「いきさつ」は地味に重要で、手当の支給基準や光熱費の負担、出社命令の正当性などにも関わってきます。

さらに、以下の点も曖昧になりがちです。

  • どんな状況でテレワークを認めるのか(希望制?業務内容次第?)
  • 誰にテレワークを認めるのか(新卒社員も対象?一定の経験者のみ?)
  • 会社が出社を命じる権限をどう担保するか(任意?命令できる?)
  • テレワーク中の出退勤管理はどうするか(打刻方法?日報?在席確認?)

これらが曖昧なまま運用を始めると、問題が起きたときに「誰がどう判断するのか」が決まっておらず、トラブル処理に相当な工数を割くことになりかねません。

小さなルールこそ、大きな混乱を防ぐ

ルール作りというと、「面倒だな…」「柔軟性がなくなる」と感じるかもしれません。

でも、ルール=がんじがらめではありません。

むしろ、最小限のルールこそが、最大限の自由を守る防波堤になるんです。

たとえば、こんな工夫も立派なルールです。

  • 在宅勤務のときだけ、コアタイム(例:10時〜15時)を設定する
  • 前日までに在宅勤務の申請が必要、と義務づける
  • 急なテレワークには上司の許可を必須にする

ポイントは、「現実の業務の流れに合わせてルールを作ること」。

社員全員がストレスなく働けて、会社も責任を持って労務管理できる状態を整えることが目的です。

「自由にしてるつもり」が一番危ない

「出社しなくていいし、好きな時間に働いていいよ」といった制度は、確かに社員にとって魅力的に映ります。
でも、その裏で何も決めていない自由ほど、企業にとって危ういものはありません。

  • 管理できていないのに「働いた」とみなす
  • 状況が曖昧なまま手当や責任が発生する
  • トラブル時に判断基準が存在しない

このような事態を避けるには、導入前にきちんとした「設計」と「合意形成」が必要です。

「とりあえず柔軟にしておこう」は、のちのちの負担になって返ってきます。

ラクに運用するためのルールを、最初から用意しておくこと。それが、会社と社員を守る最大のポイントです。

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