助成金が取りやすい会社ってどんな会社？

「こうすれば誰でも助成金がもらえる！」
「確実に取れるノウハウがあります！」

そんなキャッチーな文言を見かけたことはありませんか？

実際、助成金の申請をめぐってはインターネット上でもSNSでも、さまざまな「おいしい話」が飛び交っています。

中には誇張された表現や誤解を招く説明が含まれているケースもあり、社労士会から注意喚起を受けることもあるほどです。

しかし現場で多くの助成金申請をサポートしてきた立場から言わせてもらえば、「簡単に取れる会社」は確かに存在します。

ただし、それはテクニックや裏ワザの話ではなく、「当たり前の労務管理」をコツコツ積み上げてきた会社のことなのです。

あらゆる助成金に共通する「前提条件」

助成金にはさまざまな種類があります。

制度ごとに細かな条件や書類は異なりますが、共通して問われるのが「労務管理の土台が整っているかどうか」です。

たとえば申請時には、次のような書類がほぼ必ず求められます。

• 出勤簿
• 賃金台帳
• 雇用契約書
• 就業規則

そして、これらの書類に「整合性」があり、「最新の法令に基づいて整備されていること」が大前提となります。

助成金を取りやすい会社とは？

制度ごとの取り組み内容自体は、実はそこまで難しくありません。

たとえば、正社員化する、有給休暇を与える、研修を実施する。

いずれもすでに取り組んでいる企業も多いはずです。

しかし、それでも申請できなかったり途中で断念したりする企業が少なくありません。

その違いを分けるのが、普段の労務管理の丁寧さなのです。

• 出勤簿が正確に整備されている（タイムカード等による記録あり）
• 残業代を適切に計算し、支給している
• 雇用契約書をすべての従業員と締結している（契約内容も明記）
• 就業規則が法律に沿って整備され、変更時には届け出も済ませている
• 賃金台帳が正確かつ最新の情報で管理されている

こうしたな作業をきちんと行っている会社こそ、結果的にどんな助成金にも柔軟に対応できる会社なのです。

「制度を知ること」より「労務管理を整えること」

助成金を活用する上で、制度ごとの条件を知ることはもちろん大切です。

しかしそれ以上に、すべての制度に共通する「基礎体力」を持っているかどうかの方が、申請成功の確率を大きく左右します。

つまり、助成金を活用するための第一歩は、どの制度に取り組むかを検討することではなく、まずは自社の労務管理を整えること。

そして、それができている会社にとっては、申請手続きもスムーズで、制度選択の幅も広がります。