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専門家に「AIに聞いたのですが……」はなんとも答えにくい

AI

最近よく聞かれる質問があります。

「○○についてChatGPTに聞いてみたところ、こういう答えが返ってきたのですが、合っていますか?」

AIは便利ですし、かなりそれっぽい答えを返してくれます。

ただ、専門家側からすると、この質問は答えにくいです。

前提がわからないものにYES/NOはつけられない

前提がわからないものにYES/NOはつけられない

たとえば、壁に穴が開いたとして、対策を調べるとしましょう。

AIに聞けば、修理方法は出てきます。

そこで大工さんに、「AIではこう直すと良いと出たのですが、合っていますか?」と聞いたらどうなるでしょうか。

きっと大工さんはこう言うはずです。

「どんな壁ですか?」
「どのくらいの穴ですか?」
「中の下地はどうなっていますか?」

修理方法だけ見れば、決して間違っていないかもしれません。

しかし、実際はその壁を見ないと判断できません。

労務相談も同じです。

AIによる回答が一般論として合っていても、自社の状況に当てはまるかどうかは別なのです。

■専門家が知りたいのは「前提」です

私たち社労士の仕事も、単に「法的に合っているか」を見ることだけではありません。

もちろん、法律に反していないかは確認します。

ただ、それだけでは足りません。

本当に見るべきなのは、以下のような部分です。

・会社が何をしたいのか
・やりたいことと法律の間に、どんなギャップがあるのか
・働く人がその運用に納得できるのか
・最終的にどの選択肢が現実的なのか

つまり、“答え”そのものよりも、そこに至るまでの前提が大事なのです。

 

■特に労務は前提がとても大切!

特に労務の難しいところは、法律だけで完結しないことです。

仮に法的に間違っていなかったとしても、働く人が納得するかどうかは別問題です。

たとえば、「制度、契約書、就業規則」いずれも問題がないとします。

しかし、現場の社員が「それはおかしい」と感じれば、トラブルになってしまいます。

労務には必ず“人”が絡みます。

だからこそ、正しいかどうかだけでなく、どう伝えるか、どんな順番で進めるか、誰がどんな受け止め方をするかまで考える必要があるのです。

AIは、法律上の一般論を整理するには便利です。

ただ、会社の空気感や社員との関係性までは見てくれません。

 

AIは決して悪くない…が…

AIに聞くこと自体は悪いことではありません。

むしろ、下調べや論点整理にはかなり役立ちます。

ただし、AIが教えてくれるのは、一般論の回答です。

大事なのは、答えだけではなく前提。

何を聞いたのか。どんな条件を入れたのか。会社として本当は何をしたいのか。その運用をしたときに、働く人がどう受け止めるのか。

ここまで見ないと、労務の判断としては不十分です。

ChatGPTの回答は、たしかに大体合っていることがあります。

でも、大体合っているからこそ、そのまま使うのは危ないのです。

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