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給与計算ソフト『マネーフォワード』VS『freee』どっちが良い?【社労士解説】
給与計算ソフトで『マネーフォワード』と『freee』どちらを使うべきか悩まれる方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、私としてはfreeeをおすすめします。
では、なぜfreeeなのか?その理由について今回は解説します。
大きな違いは「マスター」設定
マネーフォワードとfreeeでは、マスター設定に大きな違いがあります。
まず「マスターって何?」という点から解説していきます。
マスターというのは、従業員の基本給(月給や時給)、手当、通勤手当の単価などデフォルトの設定をする項目です。
たとえば25万円でマスターを設定すれば、25万円から残業、休日出勤、欠勤控除などの計算がされます。
マネーフォワードとfreeeのマスター設定の違い
マネーフォワードとfreeeのマスターでは何が違うのか?といいますと、以下のようになります。
- マネーフォワード:マスターを1つしか設定できない(最新のデータのみ)
- freee:マスターを支給月ごとに設定できる
端的に伝えると上記の違いなのですが、この違いが大きな負担の原因になります。
マネーフォワードのマスター設定で生じる問題①
たとえば、基本給25万円を昇給して28万円にしたとしましょう。
まずここで生じるのが、以下の問題です。
- マネーフォワード:基本給を書き換える
- freee:支給月ごとで設定できる
マネーフォワードはマスターが一つであるため、過去をさかのぼっても「いつ昇給したのか?」がわかりません。
一方でfreeeは支給月ごとに設定できるので、昇給月がわかりやすいのです。
マネーフォワードのマスター設定で生じる問題②
マネーフォワードのマスター設定で最も負担が生じるのは、データを修正するときに起きます。
たとえば、何らかの計算に問題があったとしましょう。
このような場合には、過去のデータを修正しなければなりません。そのときにおこなうのが「『確定状態』の解除」です。
この『確定状態』の解除が大きな問題に発展します。
マネーフォワードではマスターが一つであるために、マスターを解除すると今の基本給が過去に反映されてしまうのです。つまり、以下のような状態になります。
- 2023年8月に基本給25万円
- 2024年8月から基本給28万円へ変更
- マスター確定
- 過去のデータを修正するためにマスターを解除
- 2023年8月の基本給が28万円になってしまう
上記のことが起きると……当時は25万円で各種計算をおこなっていたにも関わらず28万円として表示されてしまうので「あれ?このときの計算間違ってる?」という状態になるのです。
従業員が一人であればまだしも、もしこれが数十人、数百名規模だと大問題ですよね。
一方でfreeeは支給月ごとにマスターを設定できるので、過去の基本給が変更されることはありません。
給与計算ソフトはfreeeがおすすめ
今回解説したように、給与計算ソフトを使うのであればfreeeがおすすめです。
もちろん他のソフトなどとの連携でマネーフォワードを利用している方もいるかと思いますので、決してマネーフォワードを否定しているわけではありません。
上記のような問題も事前にわかっていれば対策を立てられるかと思います。
ただ、初めての給与計算ソフトや慣れていない場合は対策を講じるのが難しいかと思いますので、freeeをおすすめします。