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人事採用で選ぶべき人材とは?社労士視点で解説
人事採用において、どんな人を雇うべきか、人事担当はとても思慮していることでしょう。
企業にとってメリットのある人を雇いたい、即戦力となる人材が欲しい、などといったニーズはあると思います。
今回は企業にとってどんな人を採用するのがいいのか、またトラブルを招きやすい意外な人材についても社労士視点で紹介しましょう。
社内でトラブルを招きやすい“意外な”人材とは
一見、企業にとってメリットのある人物が、実は要注意である場合があります。
たとえば、以下のような人材です。
- 同業経験者
- 親族または知り合い(友人)
なぜ要注意なのか、以下で紹介しましょう。
同業経験者の場合
同業経験者は即戦力となり、企業側からすれば大きなメリットをもつ人材かもしれません。
同業経験者の場合、すでに自身でそれなりのノウハウや知識を持ち合わせています。
これ自体はありがたいことなのですが、その会社にはその会社独自の仕事の進め方があります。その方がその事情も鑑みて会社の進め方に併せながら協力してくれるとなお良いのですが、これが自分のやり方にあまりに固執される場合だと一転して既存社員ともめやすくなります。
転職したものの「結局、会社になじめなかった」という人は、こういった“技術者”や”専門知識(経験)に長けた人”の方が多い傾向にあります。
もちろん、同業での経験が自社の仕事の進め方に思わぬイノベーションを持ち込んでくれるケースもありますが、それはレアなケースと捉えましょう。同業経験者を雇う場合は、まず周囲としっかりと協力関係が結べる人か、ここをしっかりと見極めることが大切です。
親族または知り合い(友人)
はじめのうちは、よく知っている人がいることで心強くなったり、仕事を進めやすくなったりといったメリットもあります。
しかし、社員の親族または知り合い(友人)は、デメリットの方が多い人材かもしれません。
この場合は周囲の同僚ともめるというよりは、周りの方との処遇でもめるケースが多いです。
たとえば、知り合い同士の関係が強すぎると、いい待遇で雇ってしまうケースがあります。
特に誰かに待遇のことを話していなくても、役職や仕事の振り方、分担などで他の人と違う扱いになってるのが他の社員から見えるようになり、不満を持つ既存社員が出てきます。
不満を持つ社員が増えてくると、社内の雰囲気を悪くしてしまうのです。
好待遇で採用された同業経験者から実際に来た相談
実際に、「給料を下げたい」という相談が来ることもあります。
先述したように、同業経験者であれば雇う側も期待し、待遇を奮発する傾向があります。
しかし、実際に雇ってみたら大きな成果を上げることがなかったり、社内になじめなかったりする社員もいます。
そういった社員にとっては、処遇がプレッシャーになっているのかもしれません。
同業経験者を雇うときの給料の決め方
こういったトラブルを防ぐためにも、はじめから思いっきり振りかぶった待遇にするのはおすすめしません。
気持ち低めの待遇にしておくのがいいでしょう。
労務リスク的な観点からお話しすると、後から給料を上げていくのが賢明です。
たとえば、何か大きな成果を上げたとき、周りがわっというような実績を残したときなどをきっかけに上げることはよくあります。
はじめのうちは控え目に設定しき、実績次第で給料や待遇を上げられるというような加点式にしておけば、仕事におけるパフォーマンスも上がる可能性もあるでしょう。
とはいえ、スキルや知識を持ち合わせた経験者に対して低めの設定にすると、入社辞退される可能性もあるため、その点のさじ加減は社内でよく検討する必要があります。
人事採用は既存社員の不満にならないよう配慮しよう
同業経験者だから、知り合いだからという安直な理由で待遇を良くするのは避けましょう。
処遇を良くしてもらったのに、成果が出せていない…と感じると、社員にプレッシャーがかかり、耐えられなくなった社員が自ら給料の減額を申し出るケースもあります。
そもそも、企業は社員の給料を下げることはほとんどのケースでできません。
減額の理由を明確に話し、同意を得たうえでなら給料を下げることはできますが、その後の社員のモチベーションは上がりにくくなります。
社員にいいパフォーマンスをしてもらうためにも、こういった処遇に関することは慎重に検討しましょう。
もし、どうしても判断できない・解決できない場合は社労士に一度相談してみてください。