お知らせ
その育児休業、いつ戻ってくるか把握してますか?
昨今では、育児休業に対して寛容な会社が増えてきました。
これ自体はとても良いことだと思います。
しかし、一つだけ育児休業で気を付けなければならない点があります。
それが「いつ戻ってくるの?」問題です。
育児休業からの復帰を明確に決めていないとトラブルになる可能性があるので、しっかりと定めておきましょう。
育児休業のあるあるトラブル
まずは、以下のやり取りを見てください。
社員「(本人または配偶者が)妊娠して出産予定です」 社長or上司「おめでとう!!!予定日は?」 社員「〇月◎△日です。なので〇日から産休or育休を取りたいと思います」 社長or上司「そうか、そしたらそれまでに引継ぎをしなきゃな!」 …引継ぎ時期 社長or上司「じゃあ、明日から産休だね。お大事にね」 社員「ありがとうございます!」 |
一見、何の問題もないようなやり取りに見えますが…問題にお気づきでしょうか?
この社員さん、いつ復帰するのかがわかっていません!
では、復帰時期がわかっていないとどのような問題になるのか?
次のようなトラブルになってしまうのです。
社長or上司「そういえば…12月頃に復帰だったかな」 社員「保育園に入れるめどが立たないので……2月あたりまで延長できますか?」 社長or上司「まぁ……仕方ないよな」 数カ月後… 社員「2月も保育園に入れなそうなので、もう少し延長できますか?」 社長or上司「ちょっと待って!いつ復帰できるの!?」 |
上記のようなことにならないために、事前に育児休業については復帰日を決めておくことがとても大切なのです。
育児休業の申し出を書面で残そう!
上記のようなトラブルを避けるためには、まず、育児休業の申し出をしっかりと書面に残しましょう。
育児介護休業法施行規則第七条では、下記の事項を「事業主に申し出ることによって行わなければならない。」と明記されています。
一 育児休業申出の年月日 二 育児休業申出をする労働者の氏名 三 育児休業申出に係る子の氏名、生年月日及び前号の労働者との続柄等(育児休業申出に係る子が当該育児休業申出の際に出生していない場合にあっては、当該育児休業申出に係る子を出産する予定である者の氏名、出産予定日及び前号の労働者との続柄。…以下略…) 四 育児休業申出に係る期間の初日(以下「育児休業開始予定日」という。)及び末日(以下「育児休業終了予定日」という。)とする日 |
しかしながら、実際に書面に残している会社は少ないのが現状です。
育児休業の延長・早期復帰について
育児休業の延長・早期復職についても、細かい決まりがあります。
まず、育児休業の延長(終了日の変更)は、育児介護休業法第7条によると原則1回までしかできません。
ですので、「7月の復帰を9月に変更」とした場合、9月以降にどのような理由があろうと、延長はできません。
であれば、「最初から長い期間で設定して復帰できるようになったらしよう!」と考える社員もいるかもしれませんが、早期の復帰についても、権利は認められていません。
早期復帰については、過去の記事で解説していますので、こちらを参考にしてください。
育児休業のルールは会社も社員も知っておきましょう
中小企業では、今回紹介した例のように、会話だけで終わらせてしまうケースが散見されます。
しかし、そのようなやり取りでは、「いつ復帰するの?」問題が出てきてしまうので、必ず書面に残しましょう。
そして、延長や復帰の決まりについては、会社側も社員も理解しておくべきです。
トラブルや混乱を避けるためにも、育児休業についての理解を深めておきましょう。