お知らせ
助成金の社労士選びは、「提出代行」か「事務代理」か
助成金を社労士などに依頼する前に、ひとつ確認しておきたいことがあります。
それが、申請した後まで、どこまで対応してもらえるのかです。
助成金は、書類を出して終わりではありません。
提出後に労働局から内容の照会が入ったり、追加資料を求められたり、場合によっては実態確認が行われたりすることもあります。
そのときに誰が対応するのか。ここを確認しないまま依頼すると、後でかなり困ることがあります。
助成金を依頼する前に「提出代行か、事務代理か」を確認

助成金の申請を依頼するとき、ぜひ聞いてみてほしい質問があります。
「貴所で助成金の申請をしていただく場合、提出代行になりますか?事務代理になりますか?」
この質問はかなり鋭いです。
なぜなら、提出代行と事務代理では、申請後にできる対応の範囲が変わってくるからです。
社会保険労務士法上、助成金申請などの書類作成・提出は社労士の業務に該当し、提出代行や事務代理として行うことができます。
厚生労働省の業務改善助成金Q&Aでも、交付申請書等の作成等は社労士法第2条の業務に該当し、社労士が提出代行・事務代理を行えるとされています。
■提出代行は「提出手続き」を代わりに行うもの
提出代行は、会社に代わって書類を行政機関に提出する手続きです。
提出に関する説明や補正への対応はできます。
ただし、基本的には「提出すること」に重きが置かれます。
そのため、労働局から申請内容の実態について深く確認された場合、どこまで対応してもらえるのかは、依頼前に確認しておく必要があります。
■事務代理は、委任された範囲で申請に関する対応を行う
事務代理は、委任された範囲で会社に代わって申請に関する対応を行うものです。
厚生労働省の通達では、事務代理と提出代行の違いについて、提出代行は申請書等の提出手続きを代わって行うものとされ、事務代理では申請等に係る行政機関等の調査や処分に関する主張・陳述も行えることが示されています。
つまり、提出代行は「出すところまで」の色合いが強く、事務代理は「出した後のやりとり」まで見据えやすい形です。
もちろん、事務代理だから何でも丸投げできるという意味ではありません。
ただ、申請後の照会や確認まで含めて頼みたいのであれば、この違いは知っておいたほうがいいです。
キーポイントは「書類の中身にどこまで責任を持つか」
提出代行を利用するうえで怖いのは、会社が十分に内容を理解していない書類で申請が進んでしまうことです。
たとえば、外部から助成金の提案を受けて、言われるがままに資料を渡す。その後、申請書類が作られ、会社は細かい中身を確認しないまま提出される。
この状態で、あとから労働局に確認されたらどうなるでしょうか。
「この研修は、実際にはどのように行いましたか」
「この記載と、出勤簿や賃金台帳が合わないのはなぜですか」
「この制度は、いつからどのように運用していますか」
こう聞かれたときに、会社側が説明できなければかなり苦しくなります。
助成金は、書類がきれいに整っていればよいというものではありません。
申請内容と会社の実態が合っていることが必要です。
■事務代理でも、会社の確認が不要になるわけではない
事務代理であっても、行政機関が会社本人に対して直接質問や検査などを行う権限がなくなるわけではありません。
事務代理を依頼していても、会社への直接確認や調査が行われる可能性はあります。
また、助成金の支給・不支給といった処分も、基本的には会社に対して行われます。
だからこそ、任せる場合でも、会社自身が申請内容を理解しておく必要があります。
助成金の社労士選びでは「申請後の対応範囲」まで聞いておく
助成金を依頼する際に大事なのが、申請後の対応です。
提出代行なのか、事務代理なのか。労働局から照会があったとき、誰が対応するのか。調査対応は報酬に含まれているのか。申請書類の内容を提出前に説明してもらえるのか。
ここを確認するだけで、かなりリスクを減らせます。
助成金は「出して終わり」ではありません。
むしろ、出した後に説明できるかどうかが大事です。