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社会保険料よりも雇用保険料の方が割高!?
「社会保険料が高い」というのはよくある話ですが、雇用保険料については考えたことがあるでしょうか?
ご存知の通り、社会保険は健康保険と厚生年金保険からなります。
健康保険は約10%、厚生年金保険料は18.3%、合わせると給与額の約30%かかります。
そして、この半分を企業が負担しなければならず、社会保険を加入することによっての企業の負担感は大きくなります。
さらに、パート・アルバイトの方をこれから社会保険に入れるかどうか検討するにあたり、この社会保険料はかなり大きなウェイトを占めることになります。
一方、雇用保険の話になると、雇用保険料率は1000分の15.5、このうち労働者が1000分の6、企業側の人が1000分の9.5、1%にも満たない負担感となるため、社会保険に比べると雇用保険に加入するかどうかに関してのコスト意識と言うのは、どの会社にとってもあまり重くないように感じます。
しかしながら、実は雇用保険料の方が割高になるという考えもあるのです。
雇用保険料の上限をご存じですか?
単純に金額という面だけでいえば、高いのは明らかに社会保険です。
しかし、雇用保険の方が割高であるという考え方もあります。
なぜなら、雇用保険料には上限がないからです。
一方で健康保険料や厚生年金保険料には上限があります。
雇用保険は見返りも少ない
雇用保険が割高だと感じるもう一つの理由としては、雇用保険には支払った分の見返りが少ないからです。
健康保険の場合、傷病手当金や出産手当金を受給する場合でも、支払った保険料の等級に応じて日額が算定されます。
厚生年金保険についても、老齢年金や障害、年金など受給するときは、支払った保険料の等級によって金額が決まります。
つまり、高い保険料を払った人には、それに応じた高い給付金額受けることができるのです。
しかし、雇用保険の場合は給付に上限があります。
令和5年8月1日時点での給付の上限額で換算すると、30~44 歳の場合は日額の上限は15,430円。
ここから賃金月額を逆算すると、日額15,430円を30倍して462,900円になります。
つまり、これ以上の賃金をもらっている方はどれだけ雇用保険料を払っても給付の日額はこれに基づいた金額しかもらえないのです。
にも関わらず、支払う雇用保険料に上限はありません。
避ける手立てはないものの…
雇用保険(≒失業保険)はあくまでセーフティネットの役割なので、必要以上の給付を避けようと上限を設けるのはわかります。
であるなばら、保険料にも上限を設けるべきでは?と思ってしまいます。
ではこの雇用保険のデメリットを避ける手立てはあるのか、というとこれはまた今度別の投稿でお話ししたいと思います。
制度そのものの是非について、ここから先の議論は立法府に任せますが、社会保険料(健康保険料)より雇用保険の方が割高だよねということを、経営者の皆様にも理解いただければと思います。