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懲戒事由は…後からでも就業規則に追加しましょう

職場の秩序を乱す社員に対する罰則は…後からでも追加しましょう

社員の問題行動に対しては「後出しルール」もできます。

明らかに職場の秩序を乱す社員が現れたとき、解雇とまでは言わずとも、なにかしらの処分が必要と感じるでしょう。

しかし、いざ就業規則を確認してみたら

「あれ、この行動って懲戒事由に書いてない…」

このような事例、実は多いです。

今回はそんなときの対応と考え方についてお伝えしていきます。

問題が起きてからでも、まずは就業規則を整理しましょう

最初にお伝えしたいのは、「書いてなかったから、もう対応できない…」と諦める必要はないということです。

たとえ事後的な対応になったとしても、そのときからでもルールを整備するべきです。

就業規則は、働き方や社員構成の変化に合わせてアップデートされていくもの。

完璧な初期設計を目指すよりも、気づいたときに整備する姿勢が何より重要です。

「労働条件の不利益変更」への対応

「労働条件の不利益変更」への対応

就業規則に懲戒事由を記載していないと、そのきっかけとなった当の問題社員がルール整備に難色を示すことがあります。

たしかに、労働契約法第9条では以下のように定められています。

「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更して不利益な労働条件にすることはできない。」

ただし、同法第10条では以下のような条件を満たせば変更が認められるとされています。

・変更後の就業規則を労働者に周知していること
・不利益の程度が小さいか、必要性が高いこと
・内容が社会的に妥当であること
・労働組合などとの交渉状況なども含め、総合的に見て合理的であること

特に、当該社員の行動によって他の社員が不快感や迷惑を受けていた場合、就業規則の整備には十分な正当性があると見なされやすくなります。

周囲からの賛同や実態に基づく合理性があれば、たとえその社員にとっては不利益変更となっても不合理な変更とは扱われません。

問題社員にはむしろお礼を!

問題社員からすれば、就業規則を整備されてしまうのは不都合ですから、難色を示すのは当然です。

しかし、そんなときこそお礼を伝えてあげましょう。

「これまで規則として明文化していなかった点に気づかせてくれてありがとう」と。

皮肉ではなく、規則の未整備に気づけたこと自体がプラスと捉える姿勢が、経営者としての器の大きさを伝えられます。

「これまでは許してあげてたけど、これからはちゃんとやってね」と厳しく伝えれば、該当社員も悪い気持ちではありません。

「ありがとう」と伝えることで、該当社員のモチベーションも下げずに済みます。

重要!就業規則を整備したら徹底した周知を!

重要!就業規則を整備したら徹底した周知を!

就業規則を変更・追加したあとは、とにかく全社的な周知が重要です。

・改定内容を文書で通知する
・朝礼や全体会議などで説明の場を設ける
・相談窓口や意見聴取の機会も設ける

そしてなにより重要なのは、定めたルールを厳格に、公平に運用することです。

「形だけのルール」では意味がありません。

就業規則の穴は「強化のチャンス」

就業規則は、会社にとって法的な防波堤であると同時に、社員にとっての安心材料でもあります。

そのためには、常に現場の実態に合った内容に整えておくことが大切。

「問題が起きた=整備できていなかった証拠」ではなく、「問題が起きた=今後の整備のヒントを得た」と捉えましょう。

そして整備したあとは、社員にきちんと説明し、ルールを守る運用体制を整えてください。

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